旧札幌市西区

http://d.hatena.ne.jp/kei-s/ だったもの

短期間で結構読めた

読みやすいのばかりだからですね。

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

巧いなあ。乾くるみって新作だしているのだろうか。リピートは既読で、そのあと音沙汰ない?
解説が良い仕事。おかげでもう一度読み直したくなりました。
きみとぼくの壊れた世界 (講談社ノベルス)

きみとぼくの壊れた世界 (講談社ノベルス)

初維新。スピード感を求めたけどちょっと違うよう。病院坂の「往年の名探偵的」語りは滑らかで面白かった。
主人公たちが嘘をつく。主人公の語りを飛ばして行動だけ追うと違う景色が見えそう。逃げてるようにしか見えないところとか。
語りたくなる作品。設定とか締め方とか。シリーズ物はきついので、りすかとか読んでみたいな。
赤朽葉家の伝説

赤朽葉家の伝説

これは!久々に徹夜一気読みしてしまった。終戦から現在までの3代の女の物語。
キャラクター作りがすばらしい。ミステリ要素はま、置いといて。
特に、ひのえうまの年に生まれバリバリのレディースから少女漫画家になった2代目の毛鞠が素敵。
グラスホッパー (角川文庫)

グラスホッパー (角川文庫)

伊坂幸太郎は苦手意識があったけど、これは面白い。
こちらもキャラクターが面白い。鈴木、鯨、蝉の3人がそれぞれ味があっていい。蝉と岩西のコンビは素敵。
これまで読んだ伊坂の作品では、悪は完璧な悪として存在していて物足りなかったのだけど、この作品では完璧な悪は直接描かれず、悩みながら悪を行う。
苦手意識が和らぎました。

脳内のスタックから溢れそうなのでメモ

書影がないですね.

ロートレック荘事件

ロートレック荘事件

約束されたどんでん返しへいたる過程と,詳細な解説.ネタは単純なほど効く.
少女には向かない職業 (創元推理文庫)

少女には向かない職業 (創元推理文庫)

初めて読んだ桜庭一樹の作品.うーん,なんというか,佳作?もうちょいドロドロ具合の濃いのが読みたいかも.「砂糖菓子〜」とか「赤朽葉家〜」はどうなんでしょうか.
夢の木坂分岐点

夢の木坂分岐点

虚人たち (中公文庫)

虚人たち (中公文庫)

上二冊は,感想がかけません.誰か解説してくれたら十二分に楽しめる自信はあります.
虚構と現実の区別なんかない.

彼はもう走れない。走っても同じことだと彼は思う。走らなくても現実の人間同様おれだってどうせ秒速一秒の速度で未来へ向かって突進しているのだからな。

虚人たち - Wikipedia

三冊

虚航船団 (新潮文庫)

虚航船団 (新潮文庫)

長かったけど読んでよかった.
狂った文房具.
鼬(いたち)による偽史(ほんとの意味の偽史じゃないな.嘘の歴史).
神のため息と嘆き.
筒井康隆やっぱりちゃんと読む.
ハル、ハル、ハル

ハル、ハル、ハル

あんまりのれなかった.物語の『型』に呪縛されている感じがした.
さっきのの次に読んだからだと思うけど,虚構と現実の間に壁を作って,それを壊そうとしているのがもどかしい.
SPEEDBOY! (講談社BOX)

SPEEDBOY! (講談社BOX)

今回のキーワードは『他人』かな.
スピード感はすごい.1時間かからず読める.
ただ,舞城慣れしちゃってあんまり驚かなくなってきたのが寂しい.

さて,読むものが無くなりました.次は何にしようか.

二冊

今読んでいる虚航船団を読み終わってからまとめて書こう,と思ってたら地下鉄で紛失した.

スクールアタック・シンドローム (新潮文庫)

スクールアタック・シンドローム (新潮文庫)

表題作はid:kei-s:20070531:1180634810のでマンガ化されている.暴力は伝染する.「いや可哀想なのは飼い猫を殺された家族もそうだ。/違う違う、間違えた。/可哀想なのは死んだ猫だ。」想像力.
「我が家のトトロ」は,奇跡について.日常はもうそれだけで奇跡.その上ネコが膝の上から滑り落ちて「あいた」って言うんだから.それでも「殺すリスト」とか出てくる.不健全も含めて健全な物語.
書き下ろしの「ソマリア、サッチ・ア・スウィートハート」が大問題.アフリカのソマリアにちなんで名付けられた杣里亜は,二歳の頃から叔父の淳一に酷い虐待を受け,十五歳で同級生の智春に首を折られて死に,蘇り,智春と杣里亜は友達になり,淳一に食べられて死に,蘇り,蘇り,食べられて死に,蘇り・・・主人公の英典は基本的に何も手出しが出来ず傍観するしかない.
なんだこれは.でもこれこそが小説だと思った.解説できるようなら物語る必要なんてない.
最後,救われるわけではないけど,前を向く.舞城のは最終的に前を向くから好きだ.
鴨川ホルモー

鴨川ホルモー

京都+大学生活+鬼.上手いなあ.多分この人の次回作以降も面白いだろう.「映画化しそうな作品」でカテゴリ分けできる感じ.

百年の孤独

新しい版*1が出ているのだけど,読んだのはこの版だとおもう.

百年の孤独 (新潮・現代世界の文学)

百年の孤独 (新潮・現代世界の文学)

書影はここの中ほどに.このインタビューを読んだので読もうと思ったのもあり.ベルカもよいです(id:kei-s:20051001:1128190997).

ああ,もう読み終わってしまった.打ちひしがれている.ここまで書かれりゃ後世に残るわ!と思った.面白いもの.一旦読み終わると,どこをめくっても面白いエピソードにぶつかる.
本屋で新版をパラパラとめくってみたけど,注釈があって羨ましかったり,あったら興が削がれてるかなと思ったり.南米の時代背景が分かるともっと良いのかも.わかんなくても人物とストーリーで十分おなかいっぱい.
長編を読むと,最初はどんどん読み進められるんだけど,途中から残りページが気になって読み終わるのがもったいなくなってしまう.面白いと特に.

なんだか,読み終わってしまったことが物悲しい.

*1:百年の孤独 (Obra de Garc´ia M´arquez)百年の孤独

京都

気温が上がり,夜中にベッドの上で布団をかけずに本を読めるようになった.
しっかりした考察書かなきゃと思って書かなくなるより,書く.

ニッポンの小説―百年の孤独

ニッポンの小説―百年の孤独

カギ括弧つきの「文学」について.言語と非言語,意識と無意識,論理と狂気.あと生と死.
最後まで答えは出ず,もがき続けている.多分,これを踏まえて別の誰かが別の方法を提示するんだろう.この本を踏まえて小説 TRIPPER (トリッパー) 2006年 9/25号 [雑誌]の特集の橋本治を読み,「文学」の枠は拘らなくていいんだな,と思った.さらっと読める.ううん,ダメだね.良いダメ.「『二次会終わりの飲み屋前でうだうだ』における駆け引き」は素晴らしい洞察.
先の2冊で,散文以外の文章表現(詩,短歌)にも興味が沸く.ただどれから入ろうか.
みんな元気。 (新潮文庫)

みんな元気。 (新潮文庫)

短編集といいつつ表題作は中篇サイズ.終盤,ひと部屋に入れ替わり立ち代り人物が現れ,それぞれが独立して動くのはリプチンスキのTangoという作品を思い出した*1.「ある選択は他の選択肢を殺す」ことを踏まえて「選ぶ」.やっぱり舞城はいい.
夜は短し歩けよ乙女

夜は短し歩けよ乙女

講談みたい.これぞ大衆小説なのだろう.
このリズムは好き嫌いが出そう.リズムに乗れれば面白い.学校祭はいい舞台装置だ.

次回予告

ついに,百年の孤独 (新潮・現代世界の文学)に手を出す.1972年発行の1979年第3刷で.天辺の部分が黒ずんでいる.300ページほどだけど,二段組で文字小さいのでいつまでかかるやら.次の読書カテゴリ更新はいつになるやら.

羅列

0309から0531までの83日間で読んだいたのだとしたら,ペースが悪い気がする.
一言メモだけ.

アンビエント・ファインダビリティ ―ウェブ、検索、そしてコミュニケーションをめぐる旅

アンビエント・ファインダビリティ ―ウェブ、検索、そしてコミュニケーションをめぐる旅

返却してしまったので読み返せない.イメージは頭に残っているはず.必要になったらそのときにどうにか.
「鍵のかかった部屋」をいかに解体するか

「鍵のかかった部屋」をいかに解体するか

舞城王太郎とか古川日出男とか.ふつうの文芸批評とは違うラインにのっかっているみたい.今更感だけど,三島を読んでみたい.愛媛川(舞城)の評論の,「いーからやってみろって」というのが響いた.考えずにやるんじゃなく,とりあえずやって,それから考える.あと橋本治ふしぎとぼくらはなにをしたらよいかの殺人事件〈上〉 (徳間文庫)は探そう.
ピコーン! (IKKI COMICS)

ピコーン! (IKKI COMICS)

マンガ.「スクールアタックシンドローム」の方は原作未読.多分こちらのほうがマンガ化がうまいのだろう気がする.よかった.
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)

セカイ系の元祖*1?「〜年も前の作品なのに」というのは村上春樹のに言ってもしょうがない言葉なのかな.当時の世界とも隔絶されてるようだ.
自己と他者の問題.そういえば巧妙に死者を回避していた気がする.

*1:先のでは匣の中の失楽 (講談社ノベルス)が先取りしていたらしい.これも読みたい.あと関係ないけどドグラマグラもいつか読む.