旧札幌市西区

http://d.hatena.ne.jp/kei-s/ だったもの

二冊

今読んでいる虚航船団を読み終わってからまとめて書こう,と思ってたら地下鉄で紛失した.

スクールアタック・シンドローム (新潮文庫)

スクールアタック・シンドローム (新潮文庫)

表題作はid:kei-s:20070531:1180634810のでマンガ化されている.暴力は伝染する.「いや可哀想なのは飼い猫を殺された家族もそうだ。/違う違う、間違えた。/可哀想なのは死んだ猫だ。」想像力.
「我が家のトトロ」は,奇跡について.日常はもうそれだけで奇跡.その上ネコが膝の上から滑り落ちて「あいた」って言うんだから.それでも「殺すリスト」とか出てくる.不健全も含めて健全な物語.
書き下ろしの「ソマリア、サッチ・ア・スウィートハート」が大問題.アフリカのソマリアにちなんで名付けられた杣里亜は,二歳の頃から叔父の淳一に酷い虐待を受け,十五歳で同級生の智春に首を折られて死に,蘇り,智春と杣里亜は友達になり,淳一に食べられて死に,蘇り,蘇り,食べられて死に,蘇り・・・主人公の英典は基本的に何も手出しが出来ず傍観するしかない.
なんだこれは.でもこれこそが小説だと思った.解説できるようなら物語る必要なんてない.
最後,救われるわけではないけど,前を向く.舞城のは最終的に前を向くから好きだ.
鴨川ホルモー

鴨川ホルモー

京都+大学生活+鬼.上手いなあ.多分この人の次回作以降も面白いだろう.「映画化しそうな作品」でカテゴリ分けできる感じ.