旧札幌市西区

http://d.hatena.ne.jp/kei-s/ だったもの

Queueを吐き出す

とりあえず書影だけでも置いて記憶に残すよ.借りて読んだのは飛んでるかも.
感想を追記した.あんまり覚えてない.

用心棒日月抄 (新潮文庫)

用心棒日月抄 (新潮文庫)

時代もの久しぶりに.実は父親の薦めで読んだ藤沢周平
流石に上手い.人物がみんな生きてる.江戸時代の生活ってどんなんだろうと考える.時代物の取っ掛かりとして最適なんじゃないかな.
大きな話にならないのが好き.
赤めだか

赤めだか

これはいいですよ.
立川談志の弟子の立川談春が,弟子入りから二ツ目に昇進するまでのエッセイ.
可笑しいんですよこれが.「仕方ねぇ若造ども」の落語を聴いているような.
ここいらでも評判ですが,談志の言葉がいちいち刺さります.
2008-10-07
立川談志が弟子に教えた、醜い嫉妬の解消法。 : ある編集者の気になるノート
仕方のない連中なんだけど,芸と師匠への思いは一心不乱.
不気味で素朴な囲われた世界 (講談社ノベルス)

不気味で素朴な囲われた世界 (講談社ノベルス)

きみとぼくが壊した世界 (講談社ノベルス)

きみとぼくが壊した世界 (講談社ノベルス)

ここらは借りた本.返してしまって手元にない.
きみとぼくが壊した世界』は展開が,『不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界』は設定が良かった.
うむ,あまり覚えてない.
ぼくは落ち着きがない

ぼくは落ち着きがない

問題作.
おもしろいんだけど,なんやどう捉えていいかわからない.誉めてます.
図書部を舞台に,「落ち着きのない」彼ら彼女らが彼ら彼女らにとって重要な日々を過ごす.
語り手の望美による人物の表現が素晴らしい.上手い描写を,望美による表現として書いているのがいい.
問題は,表紙裏に登場人物の「部室後」のストーリーが載っているのだけど,ここをどう捉えていいものやらわからん.サービス精神なんだろうか,その後のストーリーも予想外で面白いんだけど,うーむ.

Disco★Wednesdayyy

ディスコ探偵水曜日〈上〉

ディスコ探偵水曜日〈上〉

ディスコ探偵水曜日〈下〉

ディスコ探偵水曜日〈下〉

さあさあ舞城です.分厚いのが上下巻ですよ.
ちょっと冒頭がかっこいいので長いけど引用.

 今とここで表す現在地点がどこでもない場所になる英語の国で生まれた俺はディスコ水曜日。Disとcoが並んだファーストネームもどうかと思うがウェンズディのyが三つ重なるせいで友達がみんなカウボーイの「イィィィィハ!」みたいに語尾を甲高く「ウェンズでE!」といなないてぷふーふ笑うもんだから俺は…いろいろあって、風が吹いたら桶屋が儲かる的に迷子探し専門の探偵になる。俺のキャディラックのボディには俺の名前と事務所の住所と電話番号の上に『ベイビー、あんたが探してんのは結局あんた自身なのよ』って書いてある。

このディスコ・ウェンズディ,踊場水太郎がなんだかんだで不可思議不可解な事件に巻き込まれ,自分の意志と運命とでダンスする.
舞城のは毎作テーマが決まっている(と思っている)のだけど,今回のテーマはわかりやすいほど,これ.

この世の出来事は全部運命と意志の相互作用で生まれるんだって、知ってる?

そう,意志の力は出来事を動かし,他人の意志は運命となって翻弄する.
ディスコ・ウェンズディはたぐいまれな特殊能力を持っているわけでなし,ぐだぐだ悩んで行動しない.でも,その意志と運命は行動となり世界をぐるりと変化させる.その意志は自分のためでなく「隣の迷子」を思う気持ちなんだ.

かなり長いうえに過去作(特に九十九十九 (講談社文庫))からの出典が多いので,舞城王太郎ファンは読むべきだけどファンはもう読んでるだろうな.
んでも,ここまでの舞城の集大成としていろんな要素が詰まってる.自分と隣の人と世界のなかでどう志向して生きるのか.

ちょっと深いっすよ.と軽い感じで言ってみる.

追記

既読の人用に思ったことを.
水星Cてのはどういう役割だったんだろう.主人公の分身としては役が大きすぎる気がする.この物語のなかに水星Cを出さざるを得ない「なにか」は重要なファクターだと思う.

2冊

会社の上司からオススメされてお借りした2冊.自分では選ばなかっただろうからありがたいです.

ガラス張りの誘拐 (角川文庫)

ガラス張りの誘拐 (角川文庫)

葉桜の季節に君を想うということ (本格ミステリ・マスターズ)以来の歌野晶午.「葉桜〜」より前の作品.
単独の事件の時系列をバラバラにさせて,つなぎ合わせると謎が解ける感じ.それぞれの事件と,全体の謎の絡み合いがいい.
ただ,大オチがそれまでの展開と比べてちょっと残念.主役のサボり警察官の描写とか途中のそれぞれの要素は面白いから贅沢言ってますが.
顔 FACE (徳間文庫)

顔 FACE (徳間文庫)

こちらも半落ち以来の横山秀夫.期せずしてこちらも警察官が主人公.婦警さん.
ミステリー色を見るより,良い警察小説です.男社会の中での女性警察官の奮闘と苦悩という点では,翻訳モノだけどあなたに不利な証拠として (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)*1を思い出す.
どのエピソードもきちんと練られてて大満足.それぞれのエピソードで警察署内の部署を異動しながら進むので小説世界は広がる.しかしそれによって警察世界が狭い男社会であることを描き出すのが秀逸だと思いました.

*1:id:kei-s:20061212:1165945254

はてブ関連エントリー機能について思ったこと

関連エントリー機能のリリースについて - はてなブックマーク日記 - 機能変更、お知らせなど
はてなブックマークの関連エントリー機能開発、PFI さんとの合宿 - naoyaのはてなダイアリー
「ついに来た」ですね.
先日行ったSBM研究会から間もないリリースで,個人的にはインパクト大なわけです.
SBM研究会でも多くの人がSBMと情報推薦は密接だと捉えており,実際に何人か研究していた方とお話しさせていただきました.自分自身もちょっと前まで同じ発想で動いていたこともあり,「推薦」にはいろいろと思うところがあります.


んで,SBM研究会でも注目されていた,「SBM+推薦」は実際どう受け入れられたのか.
はてなブックマーク - 関連エントリー機能のリリースについて - はてなブックマーク日記 - 機能変更、お知らせなど
少しだけ抽出すると,

関連エントリーの鮮度が悪過ぎるね。2、3年前の記事を引っ張ってこられてもちょっとどうかと思う。

ネタの掘り起こしは基本(なんの?)ですから、とてもいいことだと思います。/時系列は大事だけどそれをぶち壊すのも大事。

感想としては「言いたいこと言ってくれちゃって!」ですね.(この件に関わらず,はてブコメントは一般的にこんなイメージですが)


なんで皆さん言いたい放題なのかと考えると,多分
「みんな答えを持ってない」
からなんですよね.見ている人に正解がないから,アレコレととりあえず言ってみる.これは極めて正しい反応だと思います.
で,この話は,「情報推薦」に宿命付けられた呪いのようなものだと思うのです.思い通りのものを万人に提供することは出来ないと思うですよ.だって当人にとっての思い通りのものが「無い」んだもの.そうすると,評価はどのくらい当人が納得できたかになります.万人の納得できるものは出せないし,最小公倍数的に出せば少なくない人数から「つまんない」って言われると思います.セレンディピティなんて便利な言葉が出てきちゃうわけです*1.このあたりの問題を解決するのは,推薦じゃなくてエンターテイメントだと思っています.(科学的じゃないといっているわけではなく,科学的でもなんでも,別なアプローチを取るべきでは?と思います)


本題から逸れて本題に入ると,「はてながデータを使った!」というのは個人的にエポックメイキングです.世の中の流れに先鞭をつけたかな,と思っています.Webに興味のある研究者たちにとっても,時代の流れを感じるべき出来事だと思っています.Webクローリングがしたいわけじゃない.データから価値を生み出したいんです.逆にサービス提供者側から見るとデータという資産が持ち腐れているんじゃないでしょうか.
データ投資のマッチングが必要なんじゃないかな.

*1:うわー,disってるっぽく聞こえるなー.セレンディピティの名を付けた人は偉いけど,使うばっかりの人はかっこ悪いと思う

3satu

ひさびさすぎる.このペースで行く.
あらすじ書こうという気にならないなあ.
文章を書くのも久々かも.垂れ流す.

インディヴィジュアル・プロジェクション (新潮文庫)

インディヴィジュアル・プロジェクション (新潮文庫)

渋谷とか映画とかスパイとか.
↑で言い尽くした感じになるのはなんだろう.発刊当時の「現在」の味.
中心が無くて,円周上にポツポツとヒント(渋谷とか映画とかスパイとか)があるイメージ.で,線で結んで中心が分かりかけたころに,ぐるりとひっくり返される.でも多分中心はそれほどずれてない感じ.
幼年期の終り (ハヤカワ文庫 SF (341))

幼年期の終り (ハヤカワ文庫 SF (341))

古典SF.素晴らしいなあ.ファーストコンタクトからのシミュレーションは人間のことをよくよく考えている.後半からは,人類への希望というより宇宙への希望を描いたよう.
百億の昼と千億の夜 (1980年) (角川文庫)

百億の昼と千億の夜 (1980年) (角川文庫)

これが厄介だった.いや,わるくないんです.
でも,むかしむかし気づかないうちに漫画版を読んでたくさい.
百億の昼と千億の夜 (秋田文庫)

百億の昼と千億の夜 (秋田文庫)

なので,展開が分かっちゃってワクワクが半減してしまった.
なぜほとんどの宗教は遠い未来の終末を想定するのか.想定してしまう人間の心理はどこからくるのか.