旧札幌市西区

http://d.hatena.ne.jp/kei-s/ だったもの

2冊

会社の上司からオススメされてお借りした2冊.自分では選ばなかっただろうからありがたいです.

ガラス張りの誘拐 (角川文庫)

ガラス張りの誘拐 (角川文庫)

葉桜の季節に君を想うということ (本格ミステリ・マスターズ)以来の歌野晶午.「葉桜〜」より前の作品.
単独の事件の時系列をバラバラにさせて,つなぎ合わせると謎が解ける感じ.それぞれの事件と,全体の謎の絡み合いがいい.
ただ,大オチがそれまでの展開と比べてちょっと残念.主役のサボり警察官の描写とか途中のそれぞれの要素は面白いから贅沢言ってますが.
顔 FACE (徳間文庫)

顔 FACE (徳間文庫)

こちらも半落ち以来の横山秀夫.期せずしてこちらも警察官が主人公.婦警さん.
ミステリー色を見るより,良い警察小説です.男社会の中での女性警察官の奮闘と苦悩という点では,翻訳モノだけどあなたに不利な証拠として (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)*1を思い出す.
どのエピソードもきちんと練られてて大満足.それぞれのエピソードで警察署内の部署を異動しながら進むので小説世界は広がる.しかしそれによって警察世界が狭い男社会であることを描き出すのが秀逸だと思いました.

*1:id:kei-s:20061212:1165945254