旧札幌市西区

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羊をめぐる冒険

羊をめぐる冒険 (上) (講談社文庫)

羊をめぐる冒険 (上) (講談社文庫)

羊をめぐる冒険 (下) (講談社文庫)

羊をめぐる冒険 (下) (講談社文庫)

ノルウェイの森海辺のカフカ→初期三部作と読んでますが、初期三部作を読んでやっと尻尾を掴めたかなという感じ。村上春樹の核心にはまだまだ辿りつけそうもない。
確実に存在する「村上春樹っぽさ」を口で言えないのがもどかしい。だからこそかの授業を聞きたいのです。
考えながら書こうとしたけど、読み直すほど書けなくなる。
何日か前に「日記っぽい」と言ったのは、(下)での別荘に行ったところ。朝起きて朝食を食べ煙草を吸い散歩をし本を読んでいたらやって来た友人と酒を飲み帰ったあとで夕食を作る。普通と違うのは友人が羊の格好をしていることくらい。ここだけ切り取って「私小説」っていうのは無理だけど、こんな描写を積み重ねて物語をくるんでいる感じ。バームクーヘンみたいだ。中心となるところ(この作品だと「羊ってなんだ!」とか)がすっぽりと抜け落ちてるんだけど、描写がとっても美味しいのです。風の歌を聴け (講談社文庫)は特に太く巻いてる。ブランデーが利いてるバームクーヘンだ。この結論はなんなんだ。
描写に関して、「さびれた待合室にいる4歳くらいの男の子を連れた母親」を「親子連れは倦怠期の夫婦のように見えた」っていうのはすごいと思うのです。