旧札幌市西区

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九十九十九

九十九十九 (講談社ノベルス)

九十九十九 (講談社ノベルス)

まず最初に、JDCトリビュートと言ってもJDC関係なし。JDCでの名探偵の名前と幻影城、なにより「推理小説」をモチーフとしている。JDCシリーズはメタレベルで出てくるし、「名推理」は酷いことになってるし。
人を失神させるほど美しい九十九十九による九十九十九のための小説九十九十九 (講談社ノベルス)。全7編で、1,2,3,5,4,7,6の順になっているのがミソというかトリックというか鍵というか。
ぐしゃぐしゃ。
メタを扱うとそのまたメタを考えてメッタメタになってどこにも行けなくなるけれど、その先を見ようとした小説。推理小説の先へ行ってしまった、とか書くと気持ち悪がられるか。
大傑作であると言い切ります。
ただテンション保ったまま最後まで読み進められるかというと厳しいところ。でも1,2,3,5,4,7を経て第6話に辿りついて「小説」が壊れる瞬間を見てほしいです。
この後の舞城の作品*1を考えると、ここが転換点だったのかもしれない。

*1:直木賞じゃなくて芥川賞にノミネートされるような